日本語教師の楽しみ

私が担当している受験講座は、今日は、物理の電磁気でした。そこで大きな発見がありました。
電磁気とは切っても切れないものに、フレミングの左手の法則があります。左手の中指と人差し指と親指を互いに直角に立てて、それぞれ、導線を流れる電流の向き、導線が置かれた場所の磁場の向き、導線が受ける力の向きを表します。テストの時は、左手の指を立てて、あっちに向けたりこっちに向けたり、手首をいろいろとひねる姿が見られます。
「フレミング」という限りは日本固有のものではなく、万国共通の法則で、世界中の高校生が日本人と同じように左手の手首をひねっているのだろうだとばかり思っていました。私がこのフレミングの左手の法則を説明し始めるや、中国人の学生たちは、左手の親指だけ広げて他の4本の指はぴたりとくっつけて伸ばし始めました。親指が力の向き、4本の指が電流の向き、そして磁場の向きは手のひらから手の甲に向かっているというのです。確かに、そういう手の形を取れば、フレミングの左手の法則と同じ結果が得られます。
マレーシアの学生も、その中国人学生たちの手の使い方に驚いていました。やはり、フレミングの左手の法則を教わってきたそうです。すると、中国人は独自に、この「中国人の左手の法則」とでも呼ぶべき法則を編み出したのでしょうか。この法則は何という名前なのか聞き忘れたことを後悔しています。
中国語には、元素名など独特なものがたくさんあることは知っていましたが、こういう「法則」レベルでも独自の展開を遂げているとは、私にとっては実に新鮮な驚きでした。そういえば、先週の新聞に、国によって割り算の筆算の仕方が違うという記事が出ていました。ですから、フレミングの左手の法則が多少違っていたとしても、驚くにはあたらないのかもしれません。
そうはいっても、今日のこの体験は、私にとって久々に味わう心地よい意外さでした。こんな経験ができるところが、日本語教師の楽しみでもあります。


金原 宏

Posted by KCP

2010/05/28 20:05 2010/05/28 20:05
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大学進学の準備

私のクラスの学生は、ほぼ全員が大学進学希望なので、中間テスト後の面接でも話題は志望校についてが中心になります。今日も3人の学生と面接しましたが、インターネットの情報を参考にしながら、それぞれ1時間近くかけて志望校決めの話をしました。
3人とも、まだまだ夢を追いかけていて、この大学に入れたら理想的だという段階でした。その大学に落ちたら日本での進学をあきらめて帰国するというのなら、このまま突っ走れと言うだけで進路指導も終わりですが、何とか日本で進学したいと言うのであれば、そうはいきません。その大学に入るには留学試験で何点ぐらい必要で、その目標点に手が届かなかったらどんな大学に目を向ければいいのか、どんな目で大学を選べばいいのか、そういう話をしました。
6月20日の留学試験までは、第一志望校だけを見つめて1点でも高い点を取ることに専念していればいいですが、それが過ぎたらそれだけではいけません。6月の留学試験の手応えから、現実に目を向けていく時期に差し掛かります。オープンキャンパスの時期にもなってきますから、大学まで足を運んで自分の目で志望校を吟味して絞り込んでいくのがいいでしょう。大学は、人生の一番多感な4年間を過ごすところですから、くいのない選択をしてもらいたいものです。
日本語学校で大学進学の準備をする期間は、自分の人生設計をきちんと立てるための、自分とは何かをじっくり考えるための時間でもあるのです。そういう時間が持てる幸せを感じてもらいたいとも思います。

金原 宏

Posted by KCP

2010/05/27 20:03 2010/05/27 20:03
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有終の美

添付画像
雨が降ったりやんだりの、あまりパッとしない天気でしたが、今日は浴衣販売がありました。今学期一杯で帰国する人を対象にしたはずなのですが、どう考えても来年3月まではKCPにいるはずの学生まで会場に来ていました。来学期からもKCPで勉強する学生には、7月にまた浴衣販売があるのに、それを待ちきれなかったようです。お昼前に、午後クラスの学生が、買ったばかりの浴衣を見せに職員室まで来ました。手の空いている先生に着付けをしてもらったのでしょう。鮮やかな赤の浴衣が、曇り空を振り払うようで、まぶしかったです。
その職員室は、中間テスト後の面接が真っ盛りです。進学の相談を受けたり、成績の思わしくなかった学生にテスト直しをさせたり、先生たちは学生対応におおわらわです。急に進路を変えたり、夢ばかり追いかけて現実を見ていなかったり、この時期の学生は一筋縄では行きません。レベルが上がって難しくなったと気づきつつも、どうしていいのかわからない学生もたくさんいます。ここできちんとした指導ができれば、進学も進級も明るい日差しが射し込んできます。
それに加えて、来週の木曜日が運動会ですから、忙しさもひとしおです。クラスごとに考える仮装をどうするか、先生方ご自身の担当競技をどうするか、しなければならないこと、考えなければならないことが山ほどあります。学生に指導するためのフォークダンスの練習も、もうすぐ始まります。
今日浴衣を買った学生には、是非、運動会でいい思い出を作って、日本の留学生活の有終の美を飾ってもらいたいものです。もちろん、期末テストでいい点数を取って…。


金原 宏

Posted by KCP

2010/05/26 19:55 2010/05/26 19:55
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奥ゆかしい

運動会の各種目に出場する選手を決めました。人気のある種目には立候補者が集まり、じゃんけんで決めていました。
運動会の花形は、何と言ってもクラス対抗リレー。男女2名ずつを選びますが、いつも微妙な駆け引きがあります。立候補するよりは、誰かに推薦されて選ばれたいという気持ちが強いのでしょうか、足が速いという事前情報がある学生も、すぐには「私が…」とは言いません。
今日のクラスでは、授業でも積極的に発言するKさんが立候補。学期始めの自己紹介のときに「足が早い」と言ったHさんは、周りを見ていてなかなか手を挙げません。リレーの選手を後回しにして他の競技の出場者を決めていたら、Hさんは自分としてはあまり出たくない競技の選手に選ばれそうになってしまいました。そこまで追い込まれてようやく、「リレーに出ます」と言いました。
小柄なTさんは、いつも動作がすばやく、いかにも走るのが速そう。自然発生的にTさんという声が上がり、Tさんもまんざらでもなさそうな顔で同意したので、Tさんも選ばれました。Nさんは人気の高い綱引きに立候補し、じゃんけんに負けて「リレーをします」と宣言。
花形種目に「私が、私が」と立候補するのははしたない、どこか反感を買いそうだというメンタリティーがあるのでしょうか。私が子供の頃は、みんなそういう気持ちを持っていましたが、今の若い人はどうなのでしょう。今の世相からすると、そういうのは流行らないように思うのですが…。
「奥ゆかしい」という形容詞を学生たちが知っているかどうかはわかりませんが、どこか奥ゆかしさを競っていたようなリレーの選手決めでした。

金原 宏

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2010/05/20 16:18 2010/05/20 16:18
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後半戦

中間テストが終わり、今日から後半戦。学生たちは、いいスタートが切れたのでしょうか。
昨日から、その中間テストの採点をしていますが、学生たちの答案に詰めの甘さを感じます。私が担当しているクラスは上級ですから、なおのこと感じるのかもしれません。君たちぐらいの日本力を持っているのなら、もう一歩踏み込んだ答えをしてもらいたいな…という答えを数多く目にしました。
例えば読解なら、ただ単に問題文の一部を書き写すのではなく、それを要約したり、一言付け加えたりと、何かひねりを加えることで、答えに深みが出てきます。学校の定期試験は、入学試験と違って、本文から直接読み取れなくても、授業で議論したことを踏まえた答えがあってもいいと思います。そういう、何か光るものがほしいですね。
文法の例文にしたって、「彼は○○だ」式のおざなりのものではなく、その文法項目を使う必然性が感じられたり、情景が目の前にありありと思い浮かべられたりする例文を書いてもらいたいものです。
このような自分の独自性を打ち出した答案を作り上げることを、常日頃から心がけていると、入学試験でも他の学生とは一味違う答案が自然に書けるのではないでしょうか。それが、合格への足がかりになるのだと思います。明日は私がそのクラスに入りますから、そんなことを学生に訴えかけてみるつもりです。

金原 宏

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2010/05/19 17:16 2010/05/19 17:16
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半分。。。

早いもので、来週の火曜日は、もう、中間テストです。ばたばたしているうちに、今学期も半分が終わろうとしています。
でも、クラスの様子を見ていると、新入生もすっかり学校になじんでいるし、学期初めとは違った人間関係が形成されているし、何より、学生たちが少しずつではありますが、力をつけてきています。ちょっと気の利いた表現が自然に出てきたり、学生から鋭い質問が発せられたり、ちょっと難しいかなという教師からの問いかけに素晴らしい答えが返ってきたりすると、実力の伸びを実感させられます。そういったことを感じるということは、時間が着実に過ぎているということです。
教師はといえば、中間テストの問題作りと、6月3日に迫った運動会の準備とを並行して進めねばならず、忙しい日々を送っています。運動会が負担になり過ぎないようにと思いつつも、学生の盛り上がりを想像すると、ついつい力を入れてしまいます。今年は新企画もあり、また会場のグラウンドも改修されたとのことで、今までとは違った雰囲気になるのではという期待もあります。
中間テストが終われば、学生たちの間に運動会の雰囲気を盛り上げて生きます。競技説明、選手決め、ポスター描き、仮装の小道具作り、恒例となったダンス練習…。運動会が終わったら日本留学試験、期末テスト。本当に時が過ぎ去るのが早いです。あっという間に年を取ってしまうわけです。

金原 宏

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2010/05/14 19:11 2010/05/14 19:11
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5月11日

受験講座が終わったあと、新入生のSさんとJさんが進学相談に来ました。2人とも、今学期上級に入った学生で、来春の大学進学を目指しています。
Sさんは、放送学科に進学したいけど、放送学科がある大学があまりないという相談でした。放送を勉強して何をしたいんですかと聞くと、そこがまだはっきりしていないようです。お笑い番組の制作に携わりたいなら、大学よりも専門学校のほうがいいでしょう。日本での就職という面でも、専門学校のほうが有利かもしれません。しかし、学歴がほしいのなら、もちろん大学ですし、報道番組を作りたいのなら、文学部や社会学部のほうがいいかもしれません。放送だからと言って、放送学科という図式が成り立つわけではありません。放送業界も多様な人材を求めていますから、放送に携わりたいという気持ちならば、自分の強みを確立することだと思います。
Jさんは、経済学か経営学を勉強したいと言います。しかし、日本の大学をあまりよく知らないので、どんな大学があるのか、その大学がどんなレベルなのか知りたいとのことでした。どれぐらいの力があれば入れそうかも付け加えて説明すると、自分の知っている大学のレベルの高さに絶句していました。初めて進学相談に来る学生は、概してJさんのようなもので、だれもが知っている大学や、だれもが行きたいと思う大学は一般に入りにくいという、大学選びの基本中の基本を知ることになります。
6月の留学試験まで1か月あまり、願書締め切りの早い私立大学の出願期限は、そのほんのちょっと後です。今のうちからあれこれ心配するくらいでちょうどいいのです。

金原 宏

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2010/05/11 18:06 2010/05/11 18:06
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カウントダウン

職員室前の掲示板に、「日本留学試験まであと41日」「日本語能力試験まであと55日」という、カウントダウンが出されました。試験の足音が少しずつ大きくなってきています。学生たちには、あまりに焦ってほしくはないものの、のんびり構えていてほしくもありません。
受験生は、6月の留学試験が済んだら、そろそろ現実をしっかりと見つめねばなりません。「夢」としてレベルの高い大学名を挙げるのはいいですが、来春の進学を考えるのなら、自分の実力相応校をきちんと知ることのほうが重要です。それを軸に志望校を絞り込んでいくというのが、受験の大原則ですから。
私が受け持っているクラスは受験生が大半なので、受験ムードをあおりたてる感じでクラス作りを進めています。何でも勉強に結び付けて考える癖を今のうちからつけさせておこうと考えています。読解でも文法の例文でも、時事的な話題を進んで取り入れています。連休明けにお先週は欠席が3名・2名と増えてしまったので少し心配したのですが、今日は遅刻もなく全員出席で、悪い方向には進んでいないとほっとしました。
でも、学生たちの集中力というか、目の色というか、受験生としての緊張感は、まだまだですね。カウントダウンを見て、もう少し目をパッチリ開けてくれればと願っています。

金原 宏

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2010/05/10 11:00 2010/05/10 11:00
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連休の後。。

連休明けの教室は、どこも今ひとつ、精彩を欠いていたようです。私のクラスも、珍しく欠席が3名もいて、どこか空間が余っていました。
連休の宿題を課したレベルもありましたが、聞こえてくる先生方の声は「○○さんは宿題を忘れてきた。連休中、何をしていたのか?」というものばかりで、効果の程は疑問符付きだったようです。じゃあ、連休中思いっきり羽を伸ばしたのかというと、そうでもなかったようで、何となく家でごろごろ、アルバイトをぶらぶら…といった感じの過ごし方だったのでしょうか。
遊ぶ時は遊ぶ、勉強する時は勉強する、こういうメリハリのある生活が充実した生活につながるのだと思います。さもなければ、連休であろうとなんであろうと、いつも全く変わらぬペースで勉強し続けることです。こういう何にも惑わされない境地に到達できれば、目標を達成することも困難ではありません。
連休中、プロゴルファーの石川遼が、ハーフで28、1ラウンドを58で回るという新記録を出しました。素人は、うっかりするとハーフで58ぐらいたたきかねませんので、この記録には、ただただ驚くばかりです。彼はいつも変わらずゴルフに精進する不動心のようなものを持っているのではないでしょうか。逆に、それぐらいのものがないと、こういう桁外れの仕事はできないと思います。
当校の学生と石川遼をまともに比べてはいけませんが、同じくらいの年代なのに、片や世界記録、片やのんべんだらりんの生活というのでは、違いがありすぎます。どうやったら、多少なりとも見習わせることができるのでしょうか。

金原 宏

Posted by KCP

2010/05/06 10:55 2010/05/06 10:55
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