物理、化学、生物と、毎週理科を3科目も教えていると、他の先生方と生きる世界が違うような気がしてきます。
まず、私の机の上には、物理、化学、生物の教科書・参考書・問題集がずらりと並んでいます。EJUの過去問とその解説でパンパンに膨らんだファイルが、机の上に収まりきらずにカラーボックスに並べてあります。日本語の授業で使う教科書類は、理科のファイルの下の段です。
また、授業前の準備にかける時間が違います。理科は教科書や参考書、図版などをじっくり読み込み、必要に応じてインターネットからの知識も利用して授業に備えます。何せ、日本人の高校生が受ける授業時間数の1/3か1/4ぐらいで同じだけの知識を伝え、演習もせねばならないのです。授業はスピードが要求され、必然的に効率よく教えていくことが求められます。唯一の救いが、学生たちは国で勉強したことがあるという点です。でも、その内容を日本語に置き換える作業のお手伝いという仕事が追加されます。言うまでもないことですが、学生たちの理解度を見ながら授業の進め方を調節しています。
6月のEJUが終わったら、大学の2次試験に備えて演習問題をバリバリやっていかなければなりません。EJU向けの理科の問題集はどうも頼りないので、日本人の高校生向けのを使います。そうすると、問題集の解答がそのままでは使えないことがよくあります。その時には、留学生が読んでもよくわかる解答を作り直します。
…という仕事は、私以外に代わりにやってくれる先生がいないので、すべて私が一人でやっています。そういうわけで、他の先生方とは違う世界を生きていかざるを得ないのです。「ざるを得ない」と書きましたが、私は楽しみながらやっています。物理の公式をいじくり回して答えを出すのも、反応式をあれこれ考えるのも、生命の神秘に思いを馳せるのも、私にとっては至福のひとときです。
今日も免疫反応の世界に旅をしました。今週は金曜日が中間テストのため、物理と化学はお休みです。だから、木曜日まではまっとうな日本語教師に戻ります。
Posted by KCP

